やっぱり今のメディアの報道姿勢は問題ありすぎると思う。
最近,元NASA宇宙飛行士のエドガー・ミッチェルっていうお爺さんが「アメリカ政府は宇宙人の存在を隠蔽しておる」とラジオで発言して,大騒ぎになっているという記事が配信されました。
彼はアポロ14号で月に降り立ち,月面で槍投げを行った(どうでもいい情報だが),れっきとした宇宙飛行士だった方です。
そして,この記事には,典型的なメディア・バイアスがあります。
NASAの宇宙飛行士
↓
アメリカ国立航空宇宙局という世界最大の宇宙開発・宇宙技術機関のスペシャリスト
↓
宇宙のことなら,すごい権威
↓
その人が「宇宙人が地球に来ている」と発言
↓
こりゃあ,信憑性があるんでないかい?
という構図。
すごく問題がある。問題点は三つ。
(1)正直何を伝えたいのか分からない記事であるということ。
(2)エドガー・ミッチェルがどのような人物であるかについて,肩書き(しかもかつての)にしか触れていないこと。
(3)あたかも長年の沈黙を破って,突然言い出したかのよう印象を与えていること。
本当に何が伝えたいんだろう?…
こういうニュースって大概の人は「どうでもいいよ」という扱いをすると思いますが,こういう記事が本当に危険なのは,本ケースの場合「政府は本当は隠しているんじゃないか」的な考えをひそかに浸透させてしまうことです。
で,多分記事が意図しているのはそういう意識操作なんだな。
この国では野党の無知な議員と官房長官がUFOについて質疑とかやったりして,それが何か普通のことみたいに配信されたりして,そういう雰囲気作りをメディアが平気でやっちゃうことが空恐ろしい。
日常会話の中で,『やっぱり宇宙人て地球に来ているんじゃないかなぁ』とか言い出す人がいたとして,何でそう思うに至ったかをよくよく聞いてみると,このニュースのような記事がもとだったりする。
「NASA」という権威もそういうイメージ操作に一役買っている。
これが,
「認識科学研究所(Institute of Noetic Science)という超常現象・超能力の研究機関の共同設立者の一人であり,アポロ計画で月に行く最中もNASAとは関係なく超能力実験を行った」
とか,
「氏は,何年も前から同様の主張を行っている」
とかあれば,またこの記事の中身が変わってくるのだが。
メディアの前提として「嘘を書かない」のは当たり前であってこの記事にも嘘は無いのですが,「事実を隠す」ことによってイメージを操作するのは嘘をつくのと同程度に悪質だと思います。
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