以前,
「ランダウ-リフシッツはロシア語の原著で読めないくせに,『専門書は原著(英語?)で読め』とか極めて無意味なことを言う奴が多いせいか,最近は薄くてどうでもいい本ばっかり出回っていて,過去の日本語の名著あるいは外国語の名著の翻訳は次々と絶版になっていく。くだらない小遣い稼ぎの本書く暇があったら,名著でも訳したらどうだ」
と,どこぞに専門書の和訳に関する不遜極まりない駄文を載せていましたが,今でも基本的にその主張は変わっていません。
今日,専門書の和訳という仕事の一つの理想たる本を見つけました。
それは,
・カルマン・ブルゲル著,大瀧仁志,山田真吉訳「非水溶液の化学-溶媒和と錯形成反応」
という本です。
非常に丁寧な訳本です。例を挙げると,この本の5章は原著者からの依頼から訳者が全面的に書き直しているそうですし,また,とある最初の方の訳注で,
「Ra68,70の文献ではMCについては何も述べていない。著者の誤解であろう。」
と書いてあります。これは訳者が参考文献もチェックしているということでしょう。んで確かに「すべての文献を調査し,原著者とさまざまな議論を重ねた」と書いてある。
こんなに丁寧な訳本ってなかなかないね。とか言って実は最初のほうしか読んでないけど。
最近,Dattaの「Quantum Transport」が翻訳されはじめていますけど,これもすばらしい~。まだ買ってないけど。
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