2009年1月31日土曜日

うーむ…

読み返してみるたび,1月15日の自分自身の投稿は,長いせいかどうもまとまりを欠いていますね…

自分が主張しようとしたことを自分自身で再構築してみる:

まず前提として,
・誰もが,自分が詳しくない問題(命題:「地球温暖化は人為起源である」)について価値判断を行う場合,その道の専門家の権威に頼るしかない,
というものを置いている。

次に,その命題が実のところ価値判断を排除すべき科学的問題であったとしても,社会的な影響が大きい場合,
・(3)に分類される非専門家でも結局は権威に頼る場合があると思う。少なくとも僕自身はそうだ,
ということ。

なんでこんなことをぐだぐだと言ったのかというと,それは次に書こうと思っていることに関係があります。

次に主張しようと思っていることは,
・実は地球温暖化問題には『真の専門家』は存在しないと言ってよい。地球温暖化問題は取り扱う対象が非常に広いので,すべての地球温暖化の専門家は細分化された自分自身の専門性をバックグラウンドにしていて,その中でのみ科学的立証を行っている。すべてを網羅・立証している専門家はいない。
ということで,
・地球温暖化問題について,とある自然科学の専門家が発言したとして,その専門家があたかも地球温暖化の専門家であるような雰囲気を漂わせつつ極端な発言を行った場合,それが個人である限りはいかなる肩書的権威があったとしても,疑ってかかるべき。
ということ。

例えば,最近

Falsification Of The Atmospheric CO2 Greenhouse Effects Within The Frame Of Physics
Gerhard Gerlich, Ralf D. Tscheuschner
physics.ao-ph/0707.1161
http://arxiv.org/abs/0707.1161
なんて論文(…とは言え,これはプレプリントだから,査読を経て出版された論文とは違う)が出ているが,

「理論物理学者が書いた論文だからきっと正しいに違いない!!」
「熱力学第2法則に違反しているらしい!!」
「温室効果なんて無いんだ!!」

とかアブストラクトだけ読んで飛びつくのは,間違った権威の頼り方です。

理論物理学者は理論物理学者であって,地球温暖化問題の専門家ではない。また,この著者はどうも数理物理学の先生みたいだけども,だからといって放射伝熱や開放系の熱力学を十分に理解しているかどうかは分からない。

そもそもタイトルの付け方が気に食わない(笑)。自分は物理分かってんだぞ,みたいな。非常に権威主義的・物理バンザイなタイトルですね。…誰がおぬしを物理学の代表者として認めた?!

なんか嫌な雰囲気なんだよね,この論文。

ちなみに,この論文は読んでみよう,と考えています。

まあ,こういう論文って明らかに間違っていることって少ないんだよね。そもそもの前提(=物理学者が大好きなモデル化)が間違っていることが多々あるけど。

ちょっとまた脱線しましたが,最終的には,
・IPCCのコンセンサス主義を批判することは間違っている。コンセンサス主義しかとれない。
・そして,そのコンセンサスを「専門家の権威」として頼るべきである
ということも述べてみようと思っています。

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