2008年3月27日木曜日

都内某所

現在,都内某所におります。立派な会社や~

発表の準備,未だ継続中…10分じゃしゃべりきらんよ汗

2008年3月26日水曜日

今日から

応物に行ってきまーす。

発表の準備終わってない…

2008年3月24日月曜日

苦情

先々週あたりから某財団といろいろとやり取りをしていました。

その財団との間で進めていた話は,今回は沙汰止みになったという連絡が今日あったのですが,その山口の事務所(?)からの電話が終わったあと,しばらくしてからそこの対応に対する憤懣がこみ上げてきて,ついにブチ切れて本部のほうに苦情の電話を入れてしまいました。

まあ,アンケートに答えた後の最初にかかってきた電話からしてなんとなくこっちの想像と違うというか,違和感を感じてはいたのですが。

どんな違和感というとですね,なかなか説明しづらいのですが,ものすごく画一的というかマニュアル的というか,すべて原則で処理しようとしているわけです。こっちの細かい事情に対する想像力の欠如を感じました。

んで,一番腹が立ったのは,いまいち理由が判然としなかったこと。(最終的には納得しましたが)

以下,初期のやりとりの抜粋:以下,Aが財団側,Bが自分。

(最初)

A「過敏性腸症候群ということですが,内服薬はなんですか?」
B「××です。でもこれは化学的に作用する薬じゃありませんよ」
A「ですが,医師の処方箋を服用されている方は原則として出来ません…保留にしますか?」
B「保留にしますかって意味が分からないんですけど」
A「1年間停止するということで…」
B「じゃあ,服用を止めれば話が進むんですか?」
A「そうですね」
B「では止めてみます」

その後,なんでその薬を飲んでいるか,という理由の説明。「ストレスからです」と答えたわたし。その後,では「服用を止めて一週間経過をみましょう」という話に。

********************
(4日後。一週間後ではない)

A「今回はこれこれの事情で中止になりました」
B「何でですか?」
A「他の方との話が進んでいるようなので…」
B「あぁ,そうですか」

ここで終わりなら何の不快さも無かったのだが,その後のやり取り。

A「その後,調子はどうですか?」
B「薬止めてですか? まぁ,腸はおかしくなりますよ」
A「そうですか…ストレスということですね」
B「何か問題ありますか」
A「この件はだいぶ精神的な負担も大きいので,…」
B「それは私がストレスに弱い,精神的に弱いから薬を飲んでいるとおっしゃるんですか」
A「いや,そういうわけでは」
B「じゃあ,今回はそういう理由で止めになったということですか」
A「いえ,そうではありません。今回は先方の事情です…ですが,こちらの医師もその薬が化学的に作用する薬ではなくても,慎重に行きたいとのことで」
B「何か理解しがたいな。何が問題なんですか? やっぱり私の精神的な強弱を問題にしているんですか? 大体過敏性腸症候群は体質の問題であって,精神の強い弱いは関係ないでしょう。それに,ぼくはすでに一回経験しているんですよ。(何も知らん方と同じ対応をする意味が分からない。どのくらい負担がくるか,こっちは知っているわけだし)。…だから,私が薬を飲んでいるから止めになったのですか,と訊いているんです」
A「いえ,今回は先方の事情で」

**********************

とにかく,何か知らんが,言い方が混乱しているのです。先方の事情で止めになったのか,ぼくが薬を飲んでいるから止めになったのか,それとも精神的に弱い人はお断りなのか,それが分からん。

結論としては止めになった,ということで,その場は電話を切って仕事に復帰したのですが,どうも後から怒りがこみ上げてきて,本部に苦情の電話しました。具体的には

「精神的に強い弱いを審査の基準においているのか?」
「過敏性腸症候群は治らないので,投薬を続けるしかないわけですが,それなら登録を抹消したほうがいいのか?」

という二点をたずねてみました。あとはどこに不愉快さを感じたのか,の説明。

まあこれ以上詳しく書くのは止めますが,マニュアル通りにしか対応できず,論理立てて話も出来ない人間を善意で成り立っている場のフロントに置く,というのは非常に問題だと思いました。

こちらも善意の押し売りをしているわけではありませんし,苦情を言うのは自己満足なので,本部に電話をかけるまでだいぶ逡巡しましたが,やはり印象が悪いままやり過ごすのもイヤなので,言いたいことを言ってしまいました。

2008年3月23日日曜日

応物

が近いので,連日CR入り。あほみたいに基板を使っている…

もう日曜日だぁ

金曜日何してたのかなぁ…と考えてみると,副業に行ってたんだった。そういえば。

2008年3月20日木曜日

さすがに…

一日6時間CRに居ると泣きそうになる…
腹減った~

ハイディンガーのブラシ続報

今日はいられを使ってもう一回見ることを試みました。

・・・・・・・

無駄に「新規書類」を作って眺めることしばし。

…そして,成功!!

これかぁ。…おお,顔をモディリアーニ風に傾けるとぐるぐる回るぞ~

・・・・・・・

えーとですね,片目で見たほうがよいです。

ぼくはなぜか右目より左目の方が良く見えました。そして左目の方が斜視気味だということが分かりました。軽く凹む。まぁ,気づいてましたが。斜視だから両目じゃ見えにくかったのね。

2008年3月19日水曜日

ハイディンガーのブラシ

液晶ディスプレイは,液晶の複屈折性を土台にして偏光をうまく利用しているディスプレイです。液晶ディスプレイからぼくらの目に届く光は必ず直線偏光しています。

ぼくは今まで,人間の目は偏光を感知できないもんだとばかり思っていました。

もし人間が偏光をはっきり区別できてしまったら,液晶ディスプレイとブラウン管ディスプレイ(CRTの発光は偏光していない)の画像はぜんぜん違うものになってしまうだろうし,液晶ディスプレイにも余計な偏光解消フィルムなどを付けなければならなくなってしまっていたでしょう。

一方,昆虫は偏光を区別できるということが知られています。タマムシの玉虫色に代表される構造色などは,昆虫が偏光を見ていることを示していると言われているようです。

このように!人間には見ている光が円偏光だか直線偏光だかわかんねぇよ,と思っていました。

しかし…

どうも人間にも非常に弱くはありますが,偏光を見る能力があるようなんですねぇ。これを知ったときはすごく驚いて興奮してしまいました。どうやって見るんだ??

どうも人間は偏光を感知すると,白い可視光に対してとある模様が見えるらしく,この現象はその模様を最初に観察した人にちなんで「ハインディンガーのブラシ」と呼ばれているそうです。

ウィキペディアに詳しく載っていて,

「液晶ディスプレイに白い画面を出して,じっと見つめれば,見える!!」

とか書いてありました。

そこで,Sわくんも巻き込んで「偏光見よーぜ」と相成ったわけです。

そして,30過ぎのの大人二人が真っ白な画面をそれぞれの液晶ディスプレイに映し出し,顔を近づけて,ぼんやりと画面を眺めました…

・・・・・・・・

「見えん」
「見えませんよ」
「…あ,見えた気がする。普通のTN液晶ディスプレイは斜め45度に偏光板貼ってあるから…」
「気がするだけじゃないすか」
「…うん,やっぱり見えないかも」

・・・・・・・・

いまいち手ごたえなし。
もう少し挑戦してみます。

れっつ・とらい

卒業式

昨日18日は卒業式でした。

謝恩会が新川のホテルでありました。学生さんがたが先生方に謝恩してくれるパーティです。このような飲み会ははじめての経験でした。規模の小さい大学ならではってことなのかなぁ。

ぼくはというと,年齢も立場もわきまえず,若干騒ぎすぎました。今日は軽く自己嫌悪。

研究室ごとの花束贈呈タイムってのあって,ホテルの大会場のステージ上で,ちょっとした感謝の言葉とか言うセレモニーです。ぼくも,うちの先生と液晶研究所長のK大先生に並んで,花束と卒研生たちが書いてくれた色紙をもらいました。感激~

その後,なぜかステージ上で胴上げされました…嬉しいねぇ。でも,なにゆえ?

なーんか,胴上げってのも初めての経験という気がするなぁ…けっこう気持ちいいもんですが,少し怖いね。

案の定,最後は半ば地面にたたきつけられ,さらにスーツおよびシャツがめくれ上がり,身動き取れない状況に。ステージ上でもがき苦しむぼくの姿が全教職員・卒業生の目にさらされるハメになりました…

・・・・・・・・・

その後,卒研生たちに,「なんでぼくなわけ?」とたずねたところ,返ってきた返答は…

「A先生(ぼくのこと)が一番丈夫そうだったんで」

(lll´Д`)

…まあ,確かにそうかもね。結構背中痛いけど。

・・・・・・・・・

そして,飲みすぎました。

2008年3月17日月曜日

液晶音頭

今日は学内のシンポジウムで,発表しました。クンドさんの発表の使いまわし…あぁ,次は自分自身の研究の発表をしたい。

そして自分のポスターをほったらかしにして,他の研究室の学生さんの発表を聞く。

ほーお,説明してくださいな。

え?OCBでVTとれんの?すごいなぁ…光学補償フィルム付けてんの? あれ? つけてない?…おかしいな…あぁ,これTNのセルじゃん! どうゆうこと? 

お,これはねぇ,言い方がちょっとおかしいよぉ。「OCB」ってのは液晶表示素子の動作モードのことだからね。「OCB液晶」っていう言い方はちょいおかしいぞ。

OCBってのはこうスプレイ状態に電圧かけてベンド状態にして,これがオフベンド,これがオンベンドで白黒出すのね。

…と身体全体を使って説明しているうちに,そのポスター発表をしている学生さんも説明を聞きながら一緒にぴょこぴょこ動き始めました。

すると,傍で見ていた別の学生のツッコミが入りました。

「なんですか,その動き(失笑)」

うん,今思いついた。これはね・・・

液晶を知らない人に動作モードをしってもらうための・・・

液晶音頭だ!!

TN,TN,OCB!~♪~ VA,VA,IPS!! ~♪~

さあ,君らも踊れ!!

と踊ってみました。

もちろん,元祖シュレーディンガー音頭の二番煎じです。すみません。

・・・・・・・・・・・

シンポジウム終了後,どこで聞きつけたか別の学生に

「○○さん,液晶音頭踊ってください」

と頼まれる始末。踊りましたが,まだまだ完成には程遠い。

「うーん,確かに動作モードは分かりますけどね…」

とビミョーな反応をされました。

「ムムっ…これは飽くまでベータ版です。完成版はネットで先行配信するので,もう少々お待ちください」

とお願いしました。

結構,本気で完成させようかと思っています。

すまん!!

どう見ても手抜きだっっ!!

2008年3月16日日曜日

違い

(1)いらすとれーたーが,思い通りの動きをしないとき 
⇒ あんまりイラっとしない。自分の勉強不足であることが分かっているからである。がんばっているとそのうち何とか思い通りになる。あるいは,正当なやり方じゃないかもしれないけど,解決策はひねり出せる。道具を組み合わせる感じなので,使いこなせてない感がつきまとう。

(2)わーどが,思い通りの動きをしないとき
⇒ ものすごくイラっとする。すさまじいストレスを感じるときもある。勉強する気にならない。がんばっても思い通りにならないときが多い。デフォルト設定のあまりのがんじがらめぶりにうんざりする。最初にいちいちそれを全部解除しなきゃいけないのが腹立つ。組み合わせるだけの道具が無い。使いこなす,という言葉が存在しないのではないか感がつきまとう。

いろいろ

煮詰まってきた…

明日の発表の準備まだ始めてない~♪

2008年3月14日金曜日

訪問客

午前中,隣の市の某高校から,1年生10数人が大学体験講座+見学にやってきました。高校はもちろんのこと,結構いろんなところから液晶研究所に見学客が来ます。商工会議所とか小学校とか。

ぼくは庶務課から要請されて,液晶研究所とデモ機の説明をしました。昨日は説明される側で,今日は説明する側です。最近いつもこの役目が回ってきます。

最初のうちは説明もあたふたでしたが,今となってはかなり手馴れてしまいました。でもなんかしゃべる側が手馴れちゃっていると,聞いているほうは機械に説明されるみたいで面白くなかったりするんだよね。距離感が出てきちゃうというか。だから多少は人間ぽくやるほうが良い気がする。

大体一通り説明して,質問タイム。

ここが,困る。

先日小学生が来たとき,液晶は説明するのが難しいので,少しでも身近なものから,といって

「液晶はイカの内臓からも採れます」

とか言ってイカの絵を使って説明していたら,質問時間ではイカの質問ばかり。

「一匹のイカからどれくらい採れるんですか?」
「イカ以外からも液晶って採れるんですか?」
「テレビの液晶もイカなんですか?」

(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻

こっちはイカの研究してるんじゃないんだっっ

…もちろん,丁寧に答えました。

「分かりません」
「イカの内臓から取れる液晶はコレステロール誘導体です。君にもコレステロールがあるはずだから,君からも採れるかもよ☆」
「違います。テレビで使う液晶は石油から作ります」

などなど。

今日の高校生諸君は慎み深い子達で,質問は出ませんでした。すると案内役のうちの庶務課のNさんが恒例の質問。

「そのデモ機はいくらですか?」

最近その質問必ずするやん,Nさん。

「はい。2億5千万円です。うしろに無造作にもう一台ありますが,合わせて5億円です」

・・・・・・

まあ大概驚きますわな。どこにそんなバカ高いテレビがあるかっちゅうねん。確かに市販のテレビより20倍程度速くておそらく世界最高速ディスプレイですけどね。

「…とは言え,道端で売り出しても当然誰も買ってはくれませんね。実際のところ,これは開発にかかった費用,つまり研究費ということです」

あぁ,またいたいけな生徒たちに大人の腹黒いところを…

えっと,新技術の開発にはそれなりお金がかかるということをご理解いただきたいわけです。

2008年3月13日木曜日

工場見学

今日は県内某企業に,来期の共同研究の打ち合わせに行って来ました。

卒研生のIくんがプレゼンをしてくれて,その話をその企業さんと一緒にやっていけるかはかなり微妙なんですけれど,企業さんは企業さんでやって欲しいこともあるみたいで,なんとかお互いやりたいことのすり合わせ,という感じです。

その後,工場を見学させてもらいました。

いやー,社会科見学って楽しいね。その企業は液晶パネルメーカー向けの製造装置などを作っていて,すごい大きなスパッタ装置などを精密に作っているところを見せてもらいました。かーなーり,すごい。そんなもん一枚の板金からどうやって作るんじゃい,という感じです。

技術力って実際に目の当たりにすると圧倒されるだけですな。

ひとつ面白かった(失礼)のは,正面入り口入ったところの大きな事務セクションの人から,実際にラインで働いている人から,全員が全員ぼくらに会うと

「いらっしゃいませ!!」

と挨拶してくることでした。うぅむ。微妙な違和感…

きっと,創業者による社内教育がそう規定しているのでしょう。山口県内では立志伝中の人らしいので。今日はお目にかかれませんでしたが。

2008年3月12日水曜日

研究室内が

有機溶媒の一斗缶やら大瓶やらだらけです。火事怖い…気をつけないと。

なんだか最近激しく時間が無い。

昨日はワケの分からんフォーラムに出なきゃならんかったし,今日は予算執行やら新規導入機器講習やらで,明日は県内だけど出張。そして来週は学内でシンポジウム。そうこうしているうちに応物学会が近づいている…まじぃ

あー

作業を途中で投げ出してしまった…
だって眠いんだもん。

こうやって一晩試料をほったらかしにして,測定結果が変わってしまったら怖いな…
実験の研究ってこういうところが怖い。

でもセレンディピティってこういうのから生じるんでしょ?
…って自分で言っていたらその瞬間にセレンディピティじゃないね。

帰ります。

2008年3月11日火曜日

時事問題

でもないけど,某研究室にあった備品↓



原材料名『防衛庁』ってどんなだよ…
しかも他はしょうゆだけ。(『小麦を含む。』の『。』が剛直な感じがしますよね。)
もしかしてしょうゆの缶詰なのか?


ちなみに,持ち出し禁止でした。

2008年3月10日月曜日

東京から

帰ってきました。

「ちーす」と研究室に入ると,待ってましたとばかりに卒研生が寄ってきて,

「これ,お土産っす。」

とあるものを渡されました。あぁ,お土産ねー。ありがとう。ん?

「早く作ってください!!」

作ってください?

↓ ↓ ↓ ↓





なにこれ?…ペーパークラフト?! 紙のもけい?

・・・・・

『絵で作る,おきなわ』

『作る楽しさ2倍! 雌雄1対入り』

『お部屋のインテリアに』

『お子様の自由研究の教材に』

『立体模型で学ぶ沖縄』

・・・・・

素晴らしい。最初のコメントなんてまったく意味が分からないよ。

・・・・・

『(シーサーの)材質は漆喰や焼き物で作られますが,本製品は気軽にシーサー作りを楽しんでもらえるよう,ペーパークラフトに仕上げました。』

・・・・・

なんて親切な。気軽にシーサー作りを楽しめるなんて。

そうか,気軽にねぇ…

…と,良く見ると…


・・・・・

『標準製作時間/1個・約6時間』

・・・・・


6時間!!


雌雄で12時間!!



これは…気軽に作れるかぁ!!

そして,別の卒研生がしばらく時間差をつけた後くれたもの。

↓ ↓ ↓ ↓





ΣΣ(゚д゚lll)



どうもありがとうございました…

「おれら居なくなるまでに作ってくださいよ」

はい。努力します…

2008年3月7日金曜日

利己主義

に対する嫌悪感がどうも普通の人より強い気がします。特に金銭が絡んだ場合の利己主義。

ものごとにもよりけりだけど,誰もが「あなたのその利己的行動はまっとうです」と賛意を表することが出来る状況ってのはたくさんあって,ぼくはそのことを理解することも結果を受容することも出来るんだけど,やっぱりどうしても嫌悪感を感じてしまう。

一方で利他主義は立派なことだと言われることが多いのですが,ぼく自身はまったくそうは思わない。人間誰しも,利己主義であるべき時には利己主義で無ければならない。

そしてぼく自身は利他主義云々というよりは,単に欲と言うものが致命的に欠如しているのではないかとコンプレックスを抱く次第です。



たとえば,今日のお昼の会話中。

学生支援機構(旧育英会)の規定によれば,ぼくは大学の教員でかつ学術研究者なので何とかすれば奨学金を返還しないで済む手立てがあったのですが,その手続きはとってなかったし,さらに大学院在学が長くて在学中に奨学金を返し始めてしまい,その資格は失ったんじゃないかと思っています。

だから研究者だけど返している。というかそれ以前に「返さなくてもいいかどうか」を十分に調べるということをしていない。

とそんなことを会話してました。そして,

「学生支援機構は財政がやばいから,返せるなら返そうと思って。…つぶれたら次の世代が困るでしょう」

と言ったら,「そんな意見は初めて聞きました」と言われました。つまり普通の人(会話の相手が普通の人かどうかはともかくとして)の感覚では,

「借金を返さなくても良い権利を持っているかもしれないのに,それを利用することを考えないで,他の人間のことを考えるのは,おかしい」

となるようです。確かにその論理はまったく正しいと思います。その分自分のお金が増えるわけですからね。(もっとも今回の会話の場合は,ぼくは返し始めてしまったのでその権利を失っているわけですが)

でもですね,ぼくはその「なぜお前は自分のお金を増やそうとしないのか」と暗に諭されることにすごく違和感というか嫌悪感を感じます。ぼくは今現在まったく生活には困っていないし,給料も十分すぎるほどもらっています。これ以上お金が欲しいとはそれほど思いません。

そもそも,お金よりも研究することに欲の大半が使われていて,その研究という自分の好きなことをしていいという状況自体がものすごい幸運だと思っているわけです。

これはまずうちの両親が定年まで健康に働いていたからで,両親の援助もあったからこそ,ながーい学生生活を送ることができたということがあります。

そして日本が豊かで平和だということもある。

それだけの幸運があるのだから,今の自分があるわけで,返したほうが良い借金を返さないという行動で自分の金を増やそうという気にはなれないのです。

ここだけ聞くとなにやら偽善の匂いがしますがね。

それに,大体今ぼくは助教で2年後には強制転職ですから,困窮して払えなくなる可能性もあって,そのときには払えないものは払えないので,払わなくなるでしょう。だったら払えるときに払うのが筋なんじゃないでしょうか?



とまあ,結局はぼくには物欲があんまりないので,金銭欲もそれほど無いということなのです。

統計力学と多体問題

隣の研究室の助教さんは,材料系出身なのですが第一原理計算に造詣が深くて物理のことも良く知ってらっしゃいます。昨日助教三人バカ飲み会に行く電車の中でのこと。

(もう一人の助教さんは一本前の電車で先に行ってしまっていました。時間や待ち合わせ等の連絡が適当だかんね。あ,あと,新川に着くまで一両編成の電車には,客はその助教さんとぼくの二人だけ。すごい)

「統計力学って何ですか?」

と質問されました。うむ?

よくよく話していくうちに,彼の質問はもっともだと思いました。

日本の物理業界では『統計力学』と『多体問題』がほぼ同義語に扱われていて,かつ『多体問題』と『電子相関系(弱結合・強結合問わず)』が同義語に扱われているような風潮があります。

彼は第一原理屋さんだから多体問題の勉強に苦しんだことがあって,ぼくが「統計力学の基礎が専門」とか言うと,その多体系,特に電子相関系の複雑なことを理論的に研究していると思っていたわけです。でもぼくは細かい技術なんてほとんど知らないし,研究に関して言うことはどうも彼の統計力学のイメージとそぐわない。

ぼくは答えました。いや,吼えました。

「統計力学と多体問題は違う!!○○さんが言っているのは多体問題なんだ!大体○○さんが勉強したMahanの本だって多体問題って題名でしょ!(正確にはMany-Particle Physics)」

「…この点誤解している人が多すぎる!ハバードモデルが統計力学のすべてだと思っている人がいるんだ!グリーン関数だけが統計力学じゃねーんだよ!!」

「何でそんな風潮が日本を支配したか…それはね,全部アンダーソンが悪いんだよ!」

「あとさ,半導体がひと段落ついているから後は量子効果入れれば良いって風潮もぼくは嫌いだ!」

「電子相関はすげー面白い。だけどね,世の中にはイントロで面白そうなことを書いておいて中身がありえねぇクソ研究もあって,そういう連中が統計力学の授業を持っていたりするから誤解がさらに広がるんだ!」

などなど。いきなり吼えられた助教さんに

「そんなに怒らないでくださいよ~」

と嘆願されました。そうですよね。すみませんでした。
もう一回確認しておきますが飲む前です。冗談と本気度は3:7くらいです。

2008年3月6日木曜日

帰ってきました

ので,おうちに帰ります。

もう24セル早いうちに作らなきゃ。

日付は変わったけど,

これからクリーンルーム行ってきマース

にしても,いつまで経っても薄膜がうまく作れない…運任せみたいで困るっす。

2008年3月5日水曜日

神楽坂消息筋によると

・監査に怒鳴られて,『すみません』とか言ったらしい。
・いよいよ懲罰委員会が立ち上がるらしい。

以前監査の人に「私怨ですか?」と尋ねられたとき,「私怨です」と答えた私。そりゃハラスメントなんだから,私怨でしょう。社会的制裁を要求できる私怨だって存在します。

うーん

調子悪い…

まあ,当たり前だけど。

実験のテキストの検討をしなきゃいけないっぽいけど,正式に要請が来ているのかどうかがいまいち良く分からない。年度の初めに言われた気もするけど,こっちは右も左も分からんのじゃけえ,真に受けていいんか判断がつかんわい。

あと今日○本ビク○ーの方が垂直配向セルの光学測定をするから手助けお願いします,と頼まれていたような気もするがなんも連絡がない。昨日飲んだからIくんは午前中は来ないって言ってたのに,大丈夫かな。彼を当てにしているのか…?

大学(の教員)ってこうゆうところいい加減でイヤ…

うれしいこと

三人,九人,また飛び立っていきました。それを見届けることができて,本当にうれしく,また彼らの今後に期待します。

ジムとも話したんだけど,教育する側される側という立場は厳然としてあるかも知れないけど,こっちが楽しく面白がっていつも会話を交換すれば,こっちが何も考えていなくてもすごいフィードバックをみんながくれる。こんな楽しくて幸せなことはない。

人は得てして見返りを求めてしまうけど,そんなことを欲する以上の,たとえば研究上の真理を追究する過程で,社会的な上下関係なく同じ真理に到達したもの同士の感情的な交流と,真理を一緒に鑑賞できる幸せがある。そして単純に感謝されたいとか褒められたいとかそういういう卑小な見返りを超えたお互いの感謝を生み出すんですな。

だから研究は,やめられない。

2008年3月4日火曜日

テロリズム

今の自分の知識の範囲内で判断するが,シーシェパードのやっていることは間違いなくテロリズムに基づく行為である。そして,なぜ日本のメディアがこういう行為に対して及び腰なのかが理解できない。

なぜ「環境テロ団体のシーシェパードが…」という報道をしないのか。劇薬投げたり爆雷使ったりして人命に脅威を与えることはおろか,汚染物質を撒き散らして局所的に環境破壊している連中だよ? 大体なんで彼らはエンジン付の高速船を乗り回しているんだ? そんなに環境保護って言うなら動力に油を使わないガレオン船で来たらいいじゃないか。

マスメディアは25年前に三浦何某に名誉毀損で訴えられて煮え湯を飲まされたことに対するくだらない復讐に時間を割くより,もっと伝えるべきことがあるだろうに。

2008年3月3日月曜日

そして

今日も飲みでした…

何なんだ,この集中っぷりは。

こっちに来てからほとんど飲む機会が無くなって,ごくたまに先生と二人で飲みに行くくらいだったのに,ここに毎日のんどる。今週は昨日を含めてすでに2日連続,明日もあってその次の次の日もあるらしい。

眠い。花粉も始まるし,黄砂はひどいし。

日曜日

に飲みすぎました。いや,量は飲んでないのですが,七時過ぎから翌一時過ぎまで飲んでました…しかもジムさん(オーストラリア人)と差しで全編英語。こう言うと,さも英語が出来そうな感じですが,9割方ジムさんが話してましたからね。頷いているだけでした。

おかげさまで今日は眠いっす。

2008年3月1日土曜日

終了!!

ILCC2008のアブストラクト,投稿終了!!
最後の最後でタイトルを変えてしまった…

まあとりあえずサブミットしておいて,不都合があったら後で修正しようっと(事務局側から見たらなんて困った思想なんだ…)。もちろん,慎重にやりましたよ。いい加減という意味ではありませんよ(と弁明)。不都合ってのは研究の中身以外のところで生じるものを想定しております…

線形応答理論と揺動散逸定理

ほとんど同じものとして扱われることが多いこの二つ。理論と定理を同一視すること自体既に不安を感じさせるが,世間的にはあまり問題にされないらしい。でも同一にみることは間違いとは言えなくてもミスリーディングではないかとぼくは思う。

線形応答理論ってのは,系に「ガン」と摂動を加えたとき,平衡揺らぎがどうやって減衰していくかを見て輸送係数(電気伝導度とか)を見積もる一般的処方であって,その輸送係数自体は系に付随する量だから一般的な状況における摂動の強さとかかけ方には関係ない。系にムチャな力加えても(線形)輸送係数は変わらない。見えないと思うけど。

輸送係数を平衡相関関数から見積りたければ特別な線形応答が見えるような摂動をかけましょう,という了解の下での理論であるといえる。そのひとつの結果がグリーン・久保公式。

そんでもって,線形応答ってのは広い概念でもあるから,線形応答理論⇒グリーン・久保公式でも,グリーン・久保公式⇒線形応答理論ではない。ここを分かってない人があまりに多い。線形応答理論とグリーン・久保公式を同一視することは間違いです。

一方で,揺動散逸定理ってのは,『今平衡状態だよね?』の確認をしてくれる定理であって,系と熱浴がひとつの示強変数を共有していることを保証してくれる定理である。ブラウン運動の理論自体は線形応答理論成立以前の話だけども,たとえば揺動散逸定理(アインシュタイン関係式)が無ければブラウン運動の理論に熱浴の温度は入ってこないから,ブラウン運動が熱平衡維持された状態で起こっているということが見えない。

ブラウン運動ってのは『ひとり相撲』のお話であって,粒子がエネルギーをもらう(揺動という形で)のも,あげる(散逸という形で)のも同じ熱浴相手ということの反映が揺動散逸定理です。ここには摂動やら応答なんて話は一切入ってこない。

これは一般化ランジュバン方程式に話を拡張しても同じで,揺動散逸定理の導出にエネルギー等分配使うわけです。これは熱浴との相互作用が単純じゃなくても,ブラウン粒子と熱浴が平衡状態ということ。

つまり,線形応答ってかグリーン・久保公式が無くても揺動散逸定理は議論できる。

もちろん,揺動散逸定理は線形応答が期待できる状況でのみ成立する。だから線形応答理論から揺動散逸定理が導ける。

揺動散逸定理の本質は『平衡状態の保証』だから,揺動散逸定理が適用できない系は平衡状態には到達していない系なのです。高分子溶液中の異常拡散とかもっと広くガラスなんかがその例。

名著「岩波講座現代物理学の基礎5 統計物理学」を何度も読むと,著者たちがこのことを深く認識していることが分かるです。だから揺動散逸定理を第1種と第2種に分けているわけです。ぼくが言っているのは第2種揺動散逸定理の方なワケですね。

そして同時に,線形応答理論=グリーン・久保公式=揺動散逸定理というミスリーディングを生み出してしまったのも,この名著であるというのがぼくの意見です。

ぼくがこの名著と認識が違うのは,第1種(グリーン・久保公式)と第2種のうちどちらを原理的に重要と見るか,という点です。第1種揺動散逸定理は確かに輸送係数を平衡揺らぎと結びつける式であってグリーン・久保公式そのものだし,線形応答理論の一般性をかんがみれば,重要だとは思います。でもぼくにはこれは揺動と散逸がバランスしているようには見えないんだな。系だけに着目していて,系が外部熱浴と平衡状態にあるということが隠れてしまっている。ぼくは統計力学は外部との特殊な関係を常に考える必要があるという立場なので,原理的に重要なのは第2種のほうだと思います。

まま,とにかく二つの話は結びついているとは言え,見ているところが違います。

話をもうひとつ付け加えると,どっちの話も厳密には「平衡状態のみ」を扱っているのだから,直接非平衡状態を扱っているのではありません。だから単純にLiouville方程式の高次摂動論を行えば非平衡統計力学が完成するなんて考えるヤツは,そもそも統計力学も分かってなければ平衡状態も分かってないし,線形応答理論も分かっていません。さっさと「非平衡統計力学」という看板を降ろしなさい。

ひさしぶりに

ガネーシュにカレーを食べに行きました。
んー,前よりナンが甘い気がする…このぐらいだったかな?

山口は食べ物はうまいのですが,味付けが少し甘口なんだよね…
ガネーシュのシェフ(スリランカの人)も山口風を追求したのか?

Iくん,食べすぎです。

ヒアルロン酸

を飲むと関節にいいのか?という質問を受けました。

「飲んだらどうして膝の関節の間に入るのか?ちょっと信じがたい」

と言われました。ちょうど「酸と塩基」の勉強をしているところで,脱線話の中で出てきました。

「アレニウスの定義ではうんちゃらかんらちゃら,ブレンステッドの場合はうんにゃら」とめちゃくちゃ基本的なことをはじめて学んでいるという意味において,ぼくも質問者も化学の素人なわけですが,それでこの懐疑的な態度はえらい,とまず思いました。

まあ確かに経口摂取ですぐに関節に到達なんていわれると,代謝もへったくれもないので「何言ってんだ?」と思います。

ですが,ぼくには知識がなく質問に答えられなかったので,調べてみましょうということで話が流れました。おかげさまで生化学に興味が湧いてしまいました。