2008年3月14日金曜日

訪問客

午前中,隣の市の某高校から,1年生10数人が大学体験講座+見学にやってきました。高校はもちろんのこと,結構いろんなところから液晶研究所に見学客が来ます。商工会議所とか小学校とか。

ぼくは庶務課から要請されて,液晶研究所とデモ機の説明をしました。昨日は説明される側で,今日は説明する側です。最近いつもこの役目が回ってきます。

最初のうちは説明もあたふたでしたが,今となってはかなり手馴れてしまいました。でもなんかしゃべる側が手馴れちゃっていると,聞いているほうは機械に説明されるみたいで面白くなかったりするんだよね。距離感が出てきちゃうというか。だから多少は人間ぽくやるほうが良い気がする。

大体一通り説明して,質問タイム。

ここが,困る。

先日小学生が来たとき,液晶は説明するのが難しいので,少しでも身近なものから,といって

「液晶はイカの内臓からも採れます」

とか言ってイカの絵を使って説明していたら,質問時間ではイカの質問ばかり。

「一匹のイカからどれくらい採れるんですか?」
「イカ以外からも液晶って採れるんですか?」
「テレビの液晶もイカなんですか?」

(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻

こっちはイカの研究してるんじゃないんだっっ

…もちろん,丁寧に答えました。

「分かりません」
「イカの内臓から取れる液晶はコレステロール誘導体です。君にもコレステロールがあるはずだから,君からも採れるかもよ☆」
「違います。テレビで使う液晶は石油から作ります」

などなど。

今日の高校生諸君は慎み深い子達で,質問は出ませんでした。すると案内役のうちの庶務課のNさんが恒例の質問。

「そのデモ機はいくらですか?」

最近その質問必ずするやん,Nさん。

「はい。2億5千万円です。うしろに無造作にもう一台ありますが,合わせて5億円です」

・・・・・・

まあ大概驚きますわな。どこにそんなバカ高いテレビがあるかっちゅうねん。確かに市販のテレビより20倍程度速くておそらく世界最高速ディスプレイですけどね。

「…とは言え,道端で売り出しても当然誰も買ってはくれませんね。実際のところ,これは開発にかかった費用,つまり研究費ということです」

あぁ,またいたいけな生徒たちに大人の腹黒いところを…

えっと,新技術の開発にはそれなりお金がかかるということをご理解いただきたいわけです。

2 件のコメント:

レイチ さんのコメント...


朝から凄い笑えました!
本当に今日は朝いちで、なんてばかばかしい仕事なんだ(むっ)転職しなければ!と
おもう出来事があっただけに
本当に和みました。

イカから取れるコレルテロール??すごぉ~~いいい。
そうなんだぁ~
小学生の疑問ってかなり単刀直入?
素直だよねぇ~~♪
大人の方が困るよね・・・l
本当にお疲れ様です。
コレステロール。
びっくり。
面白いので、もう一度読んじゃおぉおお♪

Budori さんのコメント...

液晶の分類の中にコレステリック液晶ってのがあって,これは世界で最初に確認された液晶がこの分類に属するんすよ。

その最初の液晶を発見した人は,化学者でも物理学者でもなくって,ライニッツァーって植物学者なんですね。

彼は確か植物由来のコレステロール誘導体を観察していて,それが光学的におかしな振る舞いするってんでレーマンて物理学者に分析を依頼しました。そのレーマンがこれは複屈折物質ですねぇ,この物質は液体みたいだけど同時に異方性結晶みたいだから『液晶』と呼びましょう,と言い出したわけです。

だから「コレステリック液晶」という呼び方自体,コレステロールに由来しているんですね。

ワンポイント科学雑学をお送りしました。